コスタリカのスペシャルティコーヒーを牽引する一大産地タラスエリア。
カルデロン家5人の家族経営による行き届いた管理のもと作られるこのコーヒーは、その丁寧な仕事が味わいからも感じられます。
バランスに優れ、甘みとまとまりのある味と香り。まさに ”洗練された” 出来ばえのコーヒーをお楽しみください。
Nif Coffeeの「ふつう」「ふかいり」は味わいのコンセプトのもと、随時オリジンを変更してお届けしております。 内容は旬のスペシャルティコーヒーから厳選していますので、シングルオリジンのコーヒーとしてもお楽しみいただけます。
目次
1. 商品について
1-1. 詳細情報
地域:サンホセ州タラス ドタ地区
標高:1,800~2,000m
精製:ハニー精製(レッドハニー)
品種:イエローカツアイ、レッドカツアイ
コスタリカは8つの州と、それに属する81のカントンという自治体に分かれます。
今回の商品は、"サンホセ州" の "ドタ・カントン" に位置します。なんだかしっくりきませんが、東京都世田谷区的な感覚で捉えてもらえればいいかと思います。
なお、このドタ地区はコスタリカコーヒーの一大産地 "タラス" の中にあります。
1-2. 農園ヒストリー
今回のコーヒーの商品名「グラニートス」は、2012年にできたばかりのコーヒーミル(収穫したコーヒーチェリーを加工する精製所)の名前です。ここはオマール・カルデロン夫妻とその娘の3姉妹による家族が経営する精製所で、ネリー農園の他にも複数の農園を管理しています。
ここでは両親が農園管理を、3姉妹が水洗処理から、天日乾燥、保管までを担当おり、運営を始めてから2年後の2014年にCOE(コーヒーの品評会)で入賞していることからも、その加工技術は折り紙付きです。
3姉妹(ディアナ、ヨハナ、ジョイス)
カルデロン夫妻
1-3. 味わい
バランス、ボディ、甘みに優れ、まさに深煎り向きの素材です。クリーンで綺麗な酸は深く焙煎することで、微かに香りつつスーッと消え、味のまとまりを感じさせてくれ、素材としての完成度を感じさせてくれます。丁寧に作られたことを納得できる味わいです。
1-4. ハニー精製
なんだか美味しそうな響きのこの製法。コスタリカのコーヒーによく聞く精製方法で、ウォッシュトプロセス(水洗式)のひとつです。
サクランボを食べた時、種の周りに残るヌルヌルとした繊維を思い出してみてください。
ハニー精製は、コーヒーチェリーの果肉を取り除いた後、そのヌメヌメ質(コーヒーではミーシュレージと言います)をどれくらい残して後続の乾燥工程に入るかで呼び名が変わります。
今回のコーヒーはハニー精製の中でも「レッドハニー」といい、ヌメヌメを結構残して乾燥させる方法です。ちなみに残し具合によってブラックハニー>レッドハニー>イエローハニー>ホワイトハニーと呼び名が変わります。
ウォッシュトコーヒーの加工には多くの水を必要とするのですが、環境負荷を考慮して水の使用が制限されるコスタリカで洗練された精製方法で、コーヒーにしっかり甘みが残る特徴があります。
2. コスタリカのコーヒーについて
2-1. 生産量
コスタリカでは、主に工業用コーヒーに使用されるロブスタ種の生産が禁止されています。ですのでアラビカ種の生産量にフォーカスしてみます。
アラビカ種の生産での世界第1位は、言わずもがなブラジルで49,700万×60㎏、対するコスタリカは1,472万×60㎏で世界第10位の生産量を誇ります。※1
2-2. ロブスタ種が栽培禁止!?
先述の通り、コスタリカではロブスタ種の生産が法律で禁止されています。
高品質コーヒーの種であるアラビカ種を保護する政策で、1988年から続く国主導のブランド戦略なのです。
なお、2016年にコスタリカのコーヒー協会が解禁を提案したものの、議会の承認には至らなかったようです。
コスタリカの主要産業であるコーヒー生産に於いてなんともプライドを感じる話ですね。
2-3. コーヒー生産と自然環境保護の両立
コスタリカのコーヒー生産においては、自然環境に配慮した生産が推進されている事が特徴です。
伝統的なウォッシュトコーヒーの加工過程では大量の水を使用しますが、コスタリカではコーヒーを加工する際の水の使用、または使用後の汚水の管理に制約があります。そういった背景から、先述したハニープロセスのような加工方法が洗練されてきたのでしょう。
また、環境保護先進国として森林の保全にもかなり力を入れています。過去にコーヒー生産による環境破壊が問題視された背景もありますが、今では自然林をなるべく残し、植生をなるべく損なわずにコーヒーを栽培することで、コーヒー農園が様々な動植物の生息地として価値を持つとまで評価されるようになっています。
3. コスタリカの事
3-1. 国の概要
首都:サンホセ
国土※2:51,100㎢(九州と四国を合わせた面積とほぼ同じ)
人口※2:509万人(福岡県の人口とほぼ同じ)
公用語:スペイン語
1人あたり名目GDP※3:12,057米ドル(2020年)。世界では62位ですが、中米7ヶ国中ではパナマに次いで第2位です。次点グァテマラ(4,317米ドル)とは約3倍もの開きがあります。パナマ同様に外貨収入が多いことが理由に挙げられます。
3-2. コスタリカと言えば?
先日のW杯では、絶体絶命の状況を味わったコスタリカ戦が記憶に新しいところ。
この機にコスタリカという国について広く?浅くまとめてみました。
[軍隊を持たない国]
2022年の漢字は「戦」。世相を反映しているとはいえ、やるせないですね。
コスタリカでは1949年から軍隊を廃止し非武装・中立を貫き平和路線を歩んでいます。
日本の自衛隊のような組織もありませんし、国内において警官は銃を持ちません。
その分の国費を教育に充てることで、識字率97%という高い教育水準を誇ります。
[幻の鳥?火の鳥?世界で最も美しい鳥]
コスタリカをはじめ、中米を象徴する動物に "ケツァール" という鳥がいます。
「幻の鳥」とも言われ、ケツァールを見つける観光ツアーが企画されるほど愛されています。古代アステカ文明では、ケツァールの羽毛を身につけることは最高位の聖職者と王だけに許された特権でした。
そしてこの鳥は日本を代表する漫画家・手塚治虫氏の代表作である「火の鳥」のモデルとなっているそうです。
[美人が多い?]
都市伝説的な話として聞きますが、"3C" と言い、中南米の「C」で始まる国(コスタリカCostaRica・コロンビアColombia・チリChile)は美人が多いという噂があります。
同じく南米のベネズエラはミスコンの優勝者を多数輩出していますが、どうやらこの"3C" の国の女性達は、気さくで親切な内面的美人が多いとの事。なんとも魅力的ですね。
[火山が多い]
九州と四国を合わせた面積とほぼ同じ大きさのコスタリカには、5つの活火山をはじめ多くの火山があります。温泉もあり多くの観光客が足を運びます。
その中でも抜きんでて魅力的な温泉リゾートがここ。完璧な非日常が堪能できそうです。
地熱発電も盛んで、電力の9割以上が自然エネルギーで賄えています。2017年には当時の大統領が世界初のカーボンニュートラル国家実現への目標を掲げています。
[地球幸福度指数第1位!?]
国連の『世界幸福度報告』では北欧のフィンランドが5年連続で1位を獲得しています。
なのですが、、、英国の「ニュー・エコノミクス財団」というシンクタンクが発表している「地球幸福度指数」では、コスタリカは2009年版、2012年版、2016年版と3回連続、堂々の第1位なのです。
先述した環境保護先進国であることや、カーボンニュートラルへの取り組み、軍隊を持たない平和への取り組みが評価されているようです。
以上、最後までご覧いただきありがとうございました!!
※1:米国農務省より
※2:外務省より
※3:世界銀行より
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