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「ふかいり」vol.12 タンザニア キリマンジャロ ムリバCPU 2022/7/20~出荷開始

  • 執筆者の写真: 渡邉健也
    渡邉健也
  • 2022年7月21日
  • 読了時間: 5分

コクがあってパワフル、これぞ深い焙煎にすべきコーヒーだと思います。水出しコーヒーやアイスコーヒーなど、夏のコーヒーライフにもピッタリの味わいです。


Nif Coffeeの「ふつう」「ふかいり」は味わいのコンセプトのもと、随時オリジンを変更してお届けしております。 内容は旬のスペシャルティコーヒーから厳選していますので、シングルオリジンのコーヒーとしてもお楽しみいただけます。





 

目次

 

1. 商品について

1-1. 詳細情報

地域:マラ州タリメ

標高:約1,700m

精製:ウォッシュト

品種:N39

地図右下のキリマンジャロ山がある辺りでは、大規模な農園が多く、それらの農園は自前の精選設備(コーヒーの実を加工する設備)を持っています。一方、小規模な生産者は自前の加工設備を持っていないため、CPU(Central Pulpery Unit)と呼ばれる精選施設に収穫したコーヒーの実を持ち込んで収入を得ます。



この地区(タリメ地区)は伝統的にナチュラル精製を行う産地です。しかしながら日本では、タンザニア産のコーヒーと言えばウォッシュトのイメージですので、ほとんど知られていない産地でした。

この地区のコーヒーの可能性に目を付けた大手輸出企業が、当地域で高品質のウォッシュトコーヒーの開発をはじめ、出来上がったコーヒーが今回の商品です。




1-2. 味わい

コクが強くて濃縮感があって、これぞ深い焙煎にすべきコーヒーだと思います。プルーンのような果実の甘みは感じるものの、酸は穏やか。濃くてバランスのとれた「ふかいり」に仕上がりました。 水出しコーヒーやアイスコーヒーなど、夏のコーヒーライフにもピッタリの味わいです。





2. タンザニアのコーヒーについて

2-1. 生産量 世界で何番目?

タンザニアの主要輸出品であるコーヒーはどれくらい作られているのでしょう? 実は世界で生産されるうちの0.7%ほど。 世界最大のコーヒー生産国ブラジルの2%ほどでしかないのです。 キリマンジャロコーヒーってよく聞くのに意外に少ないと思いませんか?※1



2-2. キリマンジャロコーヒーって何?

”キリマンジャロ”とは、標高が5,895mもあるアフリカ大陸の最高峰の山です。そしてその名を冠したキリマンジャロコーヒーとは、キリマンジャロ山麓で生産されるコーヒー、、ではないんです。

全日本コーヒー協会では、キリマンジャロコーヒーを「 (一部地域を除く)タンザニアで生産されたアラビカコーヒー豆をいう」と定義しています。


どうでしょう?かなり大雑把だと思いませんか?なにしろタンザニアは日本の2.5倍近くも面積がある国ですので。

こんどからキリマンジャロを選ぶときは、そのキリマンジャロはタンザニアのどの辺かな?と意識してみると、コーヒーを飲むのが楽しくなると思います。



2-3. 日本人が大好きなキリマンジャロブランド

トレサビリティが曖昧な一方で、全日本コーヒー協会調査の「好きなコーヒーの種類は?」という質問では「キリマンジャロ」との回答が3割以上にもなった結果があります。

そして、タンザニア産のコーヒーの約4割もの量を日本が輸入しているのです。


先述したとおり、全世界のコーヒー生産量のわずか0.7%しかない量のタンザニアコーヒーがなぜこれほど日本人に愛されるのでしょうか?

そこには大手コーヒー会社のマーケティングや大手コーヒーメーカーの目論見などがあったと聞きます。賛否いろいろありますが、確固たるブランドを築いた”キリマンジャロコーヒー戦略”はお見事としか言えません。



3. 国の概要

3-1. 基本データ

首都:ドドマ(ただし事実上の首都機能を有し、経済面でも中心となっているのはダルエスサラーム)※2

国土※2:約945,000k㎡で日本の約2.5倍。世界では31番目の大きさで、アフリカ内では13番目の大きさです。

人口※2:約6000万人と日本のおよそ半分ながら、出生率は驚異の4.8人で世界11位(日本は1.4人で191位)※3。この30年で倍近くまで人口が増えています。


1人あたり名目GDP:2020年、1,110US$で世界167位。アフリカ内では29位、東アフリカ中6位。同じコーヒー生産国として有名なエチオピアと同程度です。決して裕福とは言えないです※4。


主な輸出品:金、カシューナッツ、タバコ、サイザル麻、コーヒー等※2。

サイザル麻で思い出したのですが、タンザニアやケニアの麻袋ってゴツゴツしててチクチクするなぁ、触り心地イマイチだなぁ、って思ってました(そうでないのもありますが)。 確かに綱引きの綱の触感に似ているかも。もしかしたその麻袋達はサイザル麻製だったかもしれません。そしてサイザル麻と言いながら、正確には麻の仲間ではないそうです。




3-2. タンザニア人の食事について

私は意外に感じたのですが、タンザニアは米が主食だそうです。しかも日本でお馴染みのモッチリした感じのお米が。あとはトウモロコシやキャッサバ、バナナなど。




4. ちょいネタ

4-1. ヴィクトリア湖から日本の給食へ?

ナイル川の源流のひとつであり、アフリカ最大の湖(世界で3番目)であるヴィクトリア湖。その大きさは琵琶湖の100倍以上です。かつては「生物多様性の宝庫」と言われるほど400種類近い固有種が生息していました。

そんなヴィクトリア湖ですが、1950年頃に乱獲によって漁獲量が激減した時期がありました。その対策として、当時の宗主国であったイギリスがある魚を放流しました。その魚の名前は「ナイルパーチ」、和名は「白スズキ」。なんとこの魚、淡水魚でありながら400㎏にもなる個体が漁獲されたことがあるほど巨大に育ちます。

その後、ヴィクトリア湖でのナイルパーチの漁獲量は増え、輸出が行われるほどの産業となりました。2019年のデータによると、日本は1,200トン以上輸入しています。

そして意外にもファミレスの魚フライや給食ではお馴染みの魚なんだとか。機会があればファミレスの詳しいメニューや給食の献立をチェックしてみてください。「白スズキ」が見つかるかもしれません。


参考サイト)さいたま市食育ナビ


ナイルパーチ



以上、最後までご覧いただきありがとうございました!!


※1:米国農務省より

※2:外務省より

※3:DataCommonsより

※4:世界銀行より





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