エルサルバドル メタパン地区の小規模生産者 nifcoffee「ふつう」vol.6
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エルサルバドル メタパン地区の小規模生産者 nifcoffee「ふつう」vol.6

更新日:2022年2月2日



清楚な香りの、とてもスッキリした味わいのコーヒーが届きました。

今回の「ふつう」は、エルサルバドル北西部サンタアナ県・メタパンエリアから。 エルサルバドルで作られた品種・パカマラを焙煎します。

NifCoffeeの「ふつう」「ふかいり」は味わいのコンセプトのもと、随時オリジンを変更してお届けしております。 内容は旬のスペシャルティコーヒーから厳選していますので、シングルオリジンのコーヒーとしてもお楽しみいただけます


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商品に同封してある、カード記載のクイズ答えを先に知りたい方へ

Q1:中央アメリカ、いわゆる「中米」に位置する国の数はいくつでしょう?

A.5か国 B.7か国 C.9か国

Q2:2021年、ある仮想通貨がエルサルバドルの法定通貨になりました。次のうちのどれでしょうか?

A.ビットコイン B.リップル C.柴犬コイン  


目次


1. 商品説明

1-1. 商品概要

地域:サンタアナ県メタパン市近郊

標高:1450m~1650m

精製:ウォッシュト

品種:パカマラ


今回の商品は単一農園ではなく、メタパン地域でコーヒー生産するの23の小規模生産者のmixロットです。

ひとつの生産者の収穫量が小さすぎて商品にならないため、いくつかの農園を合わせることで、ひとつの商品として成立させています。

ただし、収穫された場所は極めて限定的で同じラインで精選されるので、メタパン地域の風味特性は感じてもらえると思います。


(1枚目)この商品を形成する小規模農家さんを取り仕切るアレハンドロ氏。真摯さが滲み出ているような素敵な1枚です。(2枚目)右がたぶんスタッフさん。左が奥さん。アレハンドロ婦人はアメリカ大使館に勤務していて言語や貿易の面でアレハンドロをサポートしています。


立っているのがアレハンドロ氏。農家さんたちとの意見交換や技術支援は欠かしません。


満開のコーヒーの花を撮影するアレハンドロ。無邪気な一枚。


乾期と雨期ははっきりしています。乾期はカラッカラ。トラックの通った後は砂塵が舞って大変です


1-2. 味わい

清楚な香りの、とてもスッキリした味わいのコーヒーです。

また、注ぐお湯のスピードを早めて軽めの味わいに仕上げると、柑橘系の酸が香り、よりスッキリとした飲み心地になります。

逆にゆっくりと時間をかけて注いであげると滑らかな舌触りをしっかり感じられます。少しチョコレートのような香りも感じるかな。

自分好みのポイントが見つかりやすいコーヒーだと思います。濃さや淹れ方を変えて、いろいろ試してみてはいかがでしょうか?いえ、ぜひお試しください!


1-3. エルサルバドル発祥の品種

この商品の「パカマラ品種」は政府系のコーヒー研究所で開発された品種です。

20世紀中ごろ、同じくエルサルバドルのサンタアナ地域のパカスさんの農園で見つかった「パカス」という品種と、大豆かよ!と思うくらい大粒の「マラゴジペ」という品種の交配種です(こっちはブラジルがルーツらしいです)。

とある農園のパカマラ品種は、毎年オークションが開催されるほど、注目を浴びている品種で。コーヒー屋さんからの期待値は高いです。



2. エルサルバドルのコーヒーについて

2-1. 知られざるコーヒー大国

エルサルバドルにコーヒーが伝えられたのは1740年と記録されています。※1

19世紀半ばにはコーヒー生産の黄金時代がやって来ます。19世紀の歴代大統領はほぼコーヒー農園主でした。そして、国民の3/4がコーヒー生産に直接関わり、残りの1/4の90%が間接的に従事していました。

1940年には全輸出の90%がコーヒーだったそうです。1975年には生産量で世界3位のコーヒー産地にまで成長しました。

しかし、ここからが散々です。その後の内戦中に農地改革や輸出国営化、設備の破壊、コーヒー研究所の閉鎖などで生産量は急減し、1989年までの10年間で生産量は半分以下に落ち込んだ。

2010年代前半には、さび病(コーヒーの葉に斑点のような模様が出て樹が枯れてしまう病気)で大打撃を受けています。

本当に坂道を転げ落ちるように生産量が縮小し、今では最盛期の10分の1くらいになってしまいました

実際、国ごとの生産量を見てみると、品質の高いとされるアラビカ種の生産量では、世界の生産量の95%以上を占める上位15位圏内には入っていません(16位以降のデータは不明)。

一方で、工業用コーヒーが主なロブスタ種を含む生産量を見てみると、528×1000袋(1袋=60kg)で23番目の生産量(世界の生産量の僅か0.3%ほど)です。※2


2-2. コーヒーの花が国の花?

先に書いた通り、過去コーヒー産業で栄華を誇ったエルサルバドル。

なんとコーヒーの花が国の花として定められています。それほど象徴的な、国を挙げた産業なんです。

コーヒーの花


ちなみに国旗中央の国章に描かれている樹には赤い実があり、一見コーヒーの樹に見えるのですが月桂樹です。

引用)Wikipedia:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Coat_of_arms_of_El_Salvador.svg


2-3. 20以上の火山

日本の四国よりやや大きいくらいの国土のエルサルバドルには、20を超える火山があります。という事は火山灰土壌。水はけが良く、ミネラル豊富でコーヒーの生育にはとても有利です。生産エリアは山岳地域であるので、標高差が寒暖差を生み、品質の高いコーヒー生産の可能性は十分に備わっています。

少し乱暴ですが、国内のどこでも良質のコーヒーが生産できるという人もいます。

まだまだ美味しいコーヒーが見つかる可能性の高い国、と覚えておいてください。


3. エルサルバドルの事

3-1. 国の概要

首都:サンサルバドル

国土※3:21,040平方キロメートルで、日本の九州の約半分くらいの大きさ。中米で最も小さい国です。

人口※3:649万人(2020年)

公用語:スペイン語

1人あたり名目GDP※4:3,799米ドル(2020年)。世界では119位です、中米7か国の中では5番目です。


※広義にメキシコ・カリブ海諸国を含めて中米と言う場合もありますが、一般的に中米とはグアテマラ・ベリーズ・ホンジュラス・エルサルバドル・ニカラグア・コスタリカ・パナマの7か国を指します。


※米州最高の人口密度

日本の四国よりすこし大きいくらいの面積に600万人以上が暮らしており、アメリカ大陸で最も高い人口密度です。

そのため多くの国民が海外へ出稼ぎに出るらしく、海外からの送金額はGDPの2割にも及ぶのだとか。


3-2. 気になるポイント:治安

残念ながら治安の悪さには定評があり、以下のようなランキングにも首都のサンサルバドルが常連です。(2018年ランキングで24位)

メキシコの街がTOP10中5つも入っているとは驚愕です。


3-3. 日本からの行き方

治安が良くない話をした後に行きたいと思う方は少ないと思いますが一応。。

日本からエルサルバドルへの直行便の就航はないため、アメリカやメキシコで乗り継ぎをしてからでは行けないようです。待ち時間含め、早ければ20時間ほどで行けるとの事。

首都のあるサンサルバドルのエルサルバドル国際空港に着いてからは陸路でコーヒー産地へ。都市部を抜けて、農園のある山岳地域まで行けば安全だとは聞きます。


4. ちょいネタ

4-1. 仮想通貨が法定通貨?

エルサルバドルでは2021年、仮想通貨で最大手の「ビットコイン」を法定通貨とするビットコイン法が発効されました。これによってエルサルバドルの法定通貨は「米ドル」と「ビットコイン」2つとなっています。

背景として、エルサルバドルは海外への出稼ぎ労働者が多い事があるそうです。海外からの送金額はGDPの2割にも達する割合なのだとか。そして送金の手数料が高い事。例えばアメリカで働いている人が実家に仕送りする際、銀行から送金を行うと手数料がとても高いそうです。その高額な送金コストを抑えて送金額が増えれば経済が活性化する、という考えのようです。

しかしながら、海外はもとより国民のほとんどが懐疑的とも言われています。

実際、法律発行日にはビットコインの価格は17%も下落しました。今後どうなることでしょう?


4-2. 火山大国ならでは

火山の多いエルサルバドルでは地熱を使った発電が盛んです。その割合は13%強で世界トップクラスの率なのです。(ちなみに日本は0.2%)

なにより再生可能エネルギーの地熱発電は、今では国際的なキーワードのSDGsに沿った電力源の一種です。

それによって創出した電力を、先のビットコイン戦略に使用する構想なんだそうです。なんと前衛的な!?



以上、最後までご覧いただきありがとうございました!!



※1 エルサルバドル大使館資料より

※2:米国農務省より

※3:外務省より

※4:世界銀行より

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